【北欧ドラマ】ブラックレイク シーズン2

主人公がバカすぎてレビューを書く気にもならなかったシーズン1とは違い、ヨハンのボンボンふりがマイルドになった印象のシーズン2はストレスなく見進めることができた。シーズン1の舞台だったスキーリゾートのブラックレイクは出てこないし、ストックホルム沖にある孤島が舞台なので、そもそもレイクですらない。最後にミンニーの台詞でそれらしい単語が出てくるので、もしかしたらシーズン更新の可能性もあったのかもしれない。ただ、シーズン2が2018年なので、もう期待はできないだろう。

ホラー要素は薄められ、前シーズンのように序盤から一人ずつ死んでゆくような演劇がかった構成でもない。しかしながら終盤、特に最終エピソードでの登場人物たちの行動は現実的にはあり得ない印象が強く、いかにもストーリーを成立させるために都合よく動かしている雰囲気が滲み出てしまったのは残念だ。結末はおもしろかったし、予想を裏切るものではあったけれど、結局のところ予定調和感がアリアリなのだ。

ヨハンを演じたフィリップ・ベルイは、捜査官カタリーナ・フスでの激情的な演技と対比することで、役者としての巧さが際立つ。脚本と監督の指示を完璧に咀嚼してこその演技で、描いている人物は好きになれないものの、役者としては大いに評価できる。多くの作品に起用されているようなので、ぜひ見てみたいものだ。