【フィギュア】四大陸選手権

ヨーロッパ選手権に出ない国と地域を対象にした国際大会だが、世界選手権のBグループにようなメンバーになってしまうことの多い四大陸選手権。特に今回は、ペアの層がかなり薄くなっている状況なので、「りくりゅう」こと三浦/木原組に優勝のチャンスが見えていた。会場が高度1,800mを越える高地コロラドスプリングスということで、酸素の薄さと重力のコントロールに選手はかなり苦労していたようだ。顔色の悪い選手も多かったし、演技後に崩れ落ちる姿も。それは、りくりゅうも例外ではなかった。

安定していたはずのサイド・バイ・サイドも、木原がオーバーターン気味の着氷となるなど、決して会心の演技というわけではなかった。しかし、数年前と比較すれば目を見張るほどの成長ぶりは素晴らしく、リフトやスロージャンプにも自信が感じられた。終盤に慎重になってしまったのは、致し方ないところだろう。

男子シングルもチャ・ジュンファンや島田高志郎が本来の出来には程遠かったのだが、そんな中でも佐藤駿が安定したジャンプでまとめれば、三浦佳生はいつもの爆走を少しだけセーブして演技する。僕は三浦とキーガン・メッシングを「爆走コンビ」と呼んでいるのだが、キーガンもやはり抑え目ではあった。それでも、笑顔で本当に楽しんでスケートをしているキーガンの様子が伝わってきて、まだ引退して欲しくない思いが強くなった。まあ、あれだけ溺愛している家族と過ごす時間が必要なのだろう。