【楽天ジャパンオープン】Day-7

楽天ジャパンオープンのDay-7は、いよいよダブルスとシングルスの決勝を迎える。予選から数えて9日目で、そのうち僕の生観戦は6回目だ。ダブルス決勝は、メロ/マッケンジーマクドナルドとマトス/ベガエルナンデスの対戦となった。メロとマッキーが組むのは初めてとのことで、マッキーは他の3人に比べるとダブルス経験が劣ってしまう部分をメロがうまくサポートしていた。大きな声でリードしつつ、前衛で相手を牽制し続ける姿は相手にとって大きなプレッシャーになったはずだ。また、メロはサーブの際に別のラケットを使っていて、予備のラケットをタオルボックスの上に置いて持ち替えていたことが興味深かった。

そして、キーとなるポイントではメロがネット際から上下にも左右にも厳しい角度のショットを打ち込み、マトスとベガエルナンデスを翻弄する。マトスとベガエルナンデスもダブルスプレイヤーらしい巧妙なショットは多かったが、マッチタイブレークではギアを上げたメロに粉砕された形となった。

マッキーは2週間前にメロからダブルスを組むことを打診されたそうで、「Yesと答えてよかったよ」と優勝スピーチで語っていた。ただ、メロが東京の観客について「ダブルスをこんなに見に来てくれるし、リスペクトも感じる」という趣旨のコメントをしていたように聞こえたのだが、同時通訳がその部分を訳さなかったことは残念。全般的に伝えない部分が多く、技術的に難がある通訳のように感じた。

そしてシングルスの決勝は、フリッツとティアフォーの一戦。僕が楽天オープンシングルス決勝を観戦するのは3回目だが、これまでの2回(ゴファン―マナリノ、ジョコビッチ―ミルマン)に比べて期待の高まる対戦だ。フリッツの今大会のドローを追ってみると、キリオスの棄権でQFが不戦勝だったため、これで僕はすべてのフリッツの試合を観戦したことになる。

序盤はティアフォーがQFの無双状態を取り戻したかのような集中で、先にブレークする。しかし、フリッツもすぐにブレークバックし一進一退の攻防に。高速ラリーは見応えがあり、見ているだけでポイントごとに緊張と高揚を感じ続けることになった。ティアフォーの集中が途切れると凡戦になってしまうという危惧があったのだが、それは杞憂に終わった。

セカンドセットは互いにキープが続き、ファーストセットに続いてタイブレークに突入。最初のサーブを落として0-3となって時点でティアフォーのモチベーションが下がってしまったように見えた。それは「やっぱり勝てないのか」という意識と受け取ったが、表彰式のスピーチで「フリッツに負けるのは飽きたので、次こそ勝ちたい」と言っていたことを考えると、その印象は正しかったのだと思う。

フリッツとティアフォーは仲がよく、試合前の練習時間にも談笑していたし、表彰式でも終始和やかな雰囲気だった。フリッツは前週ソウルでのコロナ感染で大会を欠場してホテルで隔離からの、東京に移動したその夜に1回戦を勝っていたが、その試合での絶不調そうな表情から打って変わって、満面の笑みを見せてくれたスピーチだった。

ちなみに、フリッツのインスタによれば、この日の夜はインフルエンサーである彼女とマッキーの3人でラーメンを食べに出かけた模様。彼女がラーメンにスマホを落とした様子もストーリーズで見ることができた。