【横浜FC―大分】波乱の90分

とにかく、何が起きるかわからない展開の90分だった。梅崎のヘッドで先制しながら小川航基のゴールで追いつかれ、下田が直接FKを決めても小川が再びイコライザーを叩き込む。2度リードした大分だったが、このまま終わる雰囲気はまったくなく、終盤あでもつれそうな予感しかしなかった。

そして、決着をつけたのは野村の恩返し弾。こちらも古巣となる下平監督の起用に答え、投入から5分後に自分で拾ったルーズボールをGK六反の頭越しに蹴り込んだ。こういう場面で強い印象はあったが、今季はなかなか結果が出ていなかっただけに、野村の喜びもひとしおだろう。先発で町田と梅崎を使ってもベンチに野村がいるところは、大分の層の厚さでもあり、今の好調さを支えている原動力なのだと思う。これで3-2となり、何となく展開が落ち着いたような気がした。左サイドをま増山から香川に代えたのも、そのあたりの雰囲気が作用したのかもしれない。

しかしながら、長沢の負傷交代は気がかりだ。負傷明けから好調を維持し、ポストプレーや戦術理解度では替えの利かない存在。大分は昇格プレーオフ出場を決めていることから、山形と琉球の2試合では無理をさせず、プレーオフに向けた回復を図って欲しい。今季を棒に振ってしまいそうな刀根の動向も気になるが、いずれにしても残るはあと2試合だ。