【レーバーカップ】フェデラーのラストマッチ

ロジャー・フェデラーの現役最後の試合は、ナダルと組んでのダブルス。ロンドンで開催されているエキシビションマッチ「レーバーカップ」の初日、第4試合にアサインされた。対する相手はソックとティアフォー。ソックはダブルスでも実績を残しており、決してレジェンド組が優位にいるというわけではなかった。

ファーストセットはフェデラーナダルが取ったものの、セカンドセットはソック&ティアフォーが先行。追いついてタイブレークというところで、WOWOWの中継が途切れた。もともとの放送時間が終わって延長の扱いに入った直後だったので、もしかしたら通信衛星の延長手配ができていなかったのかもしれない。再開した時点ではセカンドセットがソック&ティアフォーが取っており、10ポイントのマッチタイブレークに入ったところだった。フェデラーのサーブでマッチポイントという場面ではスタンドも大いに盛り上がったのだが、残念ながら取り切れず、直後にソック&ティアフォーがつかんだマッチポイントを決められて勝負が決してしまった。

エキシビションでの引退試合なので、華を持たせるような筋書きも考えることはできるが、チケット販売時点ではフェデラーの引退は報じられていなかったのだから、真剣勝負を見せるのが自然だろう。ソックとティアフォーは楽しみながらも、細かいところでチェアアンパイアのライアニさんにクレームをつけたりチャレンジを行使したりと、終始真剣だった。最大の見どころは、フェデラーのサイドラインぎりぎりからのリターンがネットの右上の隙間を抜けてしまったこと。ネットの隙間を抜けた上にポストに当たったので、ライアニさんは正確に判断していたが、スタンドの観客も中継のオーディエンスも何が起きたかすぐにはわからない微妙なプレーだった。

終了後のインタビューでは涙を見せ、言葉を詰まらせたフェデラー。僕は彼がコラボしたONのスニーカーを履いていることもあって、とても親近感がある。2万人の観衆の中で愛されているところを証明したフェデラーに、僕もさよならを伝えたい。