【TOKYO 2020】パラリンピック開会式

始まった時点では、またテレビCM的な安っぽい演出の予感も漂っていたのだが、片翼の飛行機をテーマにしたパフォーマンスは素晴らしかった。主演の和合由衣さんの純粋な演技も、そしてそれを盛り立てるバイプレイヤーたちの演技も見事だった。音楽面でも、辻井伸行の楽曲や義手を駆使してヴァイオリンを奏でた伊藤真波さんの演奏が印象的だった。僕も昔はヴァイオリンを弾いていたので感覚的に理解できるのだが、義手で弓をしっかり押さえていれば、ボウイングは肩を使ってカバーできるはず。ただ、左の肩とあごで弓の面と弦の当たる角度をアジャストする必要があるだろう。

そして、伊藤若冲のアートで彩られたデコトラが登場。デコトラといえばパキスタンが本場のようにも思うが、若冲のアートとなればこれは間違いなく日本オリジナルだ。その中からバンドが登場し、布袋寅泰の姿を見たときは驚いた。いかついイメージでパンクロックを奏でていた記憶があるが、この人はこんなに楽しそうに演奏することもあるのだと妙に納得してしまったほど。「キルビル」で使われた自らの楽曲を、パラリンピックの開会式でハンディキャップのあるメンバーとともに演奏するのは、本当に楽しかったのだろう。

聖火の点火に国枝慎吾を起用するのかと思いきや、彼は選手宣誓。そして若いパラアスリートとともに点火を担ったのは上地結衣だった。オリンピックで同じ役割だった大坂なおみ不本意な結果に終わっていただけに、変なプレッシャーを感じてくれなければよいのだが… コーチも変えたようだが、ちょっと絞り込んですっきりした顔立ちの上地の活躍を祈ろう!