【ノベンティOP】錦織圭―ベランキス

相変わらずの錦織圭だった。ドイツのハレで開催されているノベンティ・オープンでベランキスと対戦し、ファーストセットは順調に奪取しながらセカンドセットは一気に形勢が逆転。ベランキスのファーストサービスはそれほど入らなかったが、入ったときは絶妙のプレースメントになり圧倒的なポインツウォンとなった。一方の錦織は、何度もラケットを交換したり張り替えに出したりと、落ち着かない様子だったことが気になった。

セットオールからのファイナルセットでは、派手なプレーを見せるわけでもなく、どちらかというと自重気味に見えた錦織だったが、ここぞというブレークポイントでバックハンドのダウン・ザ・ラインを叩き込んで有利に展開すると、最後はベランキスのダブルフォルトという意外な形で勝ちを手繰り寄せた。試合終了後もガッツポーズや笑顔はなく、試合中もカモンの声が聞かれなかったのは何か違和感があったのだろう。

ここからのグラスコートシーズンは、球足が速くなることもあって決して得意というわけではないだろう。無理をしないプレーに見えたのは、ウィンブルドンに向けた準備の一環なのかもしれない。2回戦の相手は好調なコルダ。今日の内容を考えると、何が何でも勝ちにこだわるスタンスにはならないだろう。2週間後に迫るウィンブルドンに向けて、このハレをどう使うか。すべては、それ次第だ。