【リヨンOPEN PARC】モンフィス―西岡良仁

西岡良仁はしぶとい。特にクレーコートではその真価を発揮するので、フルセットにもつれこむことも珍しくない。リヨンで行われている今大会でも、初戦でアンベールにフルセットの逆転勝ちを上げ、この日もモンフィスにセットダウンからの勝利。地元フランスの選手を相次いで倒してのベスト8となった。

ファーストサーブが入らずに苦労する西岡だったが、入りさえすればポインツウォンでは高い数字を残した。ストローク戦ではいかにも西岡らしい打ち分けを1打ごとに見せ、モンフィスのミスを誘った。ただ、全体的にリターンが浅くなっていて、やや前目から強打を打たれてサイドを抜かれるケースも目についた。ドロップショットも、モンフィスの球威に押されて跳ねてしまい、逆に叩かれることも多かった。攻める際には迫力あるプレーも多く、いわゆるジャックナイフ、つまりジャンプしながらバックハンドのダウンザラインを決めたシーンでTennisTVの実況は、「エアケイ、いやエアヨシ!」と茶化し気味に伝えていた。

セットオールからのタイブレークでは、西岡にとって最高のタイミングでモンフィスがダブルフォルト。これで一気に気持ちが楽になったはず。西岡もキモとなるポイントでのダブルフォルトを犯して形勢を不利にしてしまっていたが、やはりサーブは勝敗を分けるターニングポイントになる。身長が高くないだけに、回転とプレースメントにこだわる必要があるのは理解できるが、特にセカンドになった場合に無理をするかどうかの選択は慎重になった方がよさそうだ。