【テニス】ニューミックスの魅力

橋本総業チャレンジテニスのDay-2は、西岡良仁が参戦。それ以上に興味を引いたのが、西岡良仁/国枝慎吾組とダニエル太郎/荒井大輔組のニューミックスというフォーマットの試合だった。車いすの選手と組んでのダブルスで、車いすの選手は2バウンドまでOKという、それぞれが通常戦っているルールに従う方式だ。ランキング的に劣る荒井がどうプレーするのかに注目していたが、ダニエルと国枝の本気のサーブやラリーに魅了されてしまった。

ダニエルが191cmの長身を生かしたサーブを叩き込めば、国枝も前に出ながら腕を伸ばして好リターンを決める。そこに西岡と荒井もダブルスらしいプレーで絡み、実に見応えのある内容が展開した。荒井はリターンが甘くなる場面も多かったものの、効果的なポーチやウィナーを見せていた。ダニエルはポールを巻いて相手コートに入れる、いわゆる「ポール回し」まで披露してくれ、無観客でなかったらもっと盛り上がっただろうにという気分にさせられた。

試合後のインタビューでも、4人がそれぞれに楽しんでプレーしたいた様子が語られ、この大会の意義にコロナ対策という以上の大きな価値をもたらしていたように思う。アスリートは全力でプレーしてこそ美しい。観客も、その点をあらためて意識させられた試合であり、イベントだった。