【Disney+】ワンダヴィジョン エピソード9

「ついに」というべきか、「もう」というべきか、いずれにしても、ワンダヴィジョンは最終エピソードを迎えた。この作品の最大のテーマは、ヴィジョンを亡くしたワンダの悲痛なほどの悲しみだ。ヴィジョンはサノスのデシメーションではなく、その前にマインドストーンを剥ぎ取られることで破壊されたためにエンドゲームの世界でも復活しない。そしてワンダは、そのことを心に抱えながら生き続けている。「シビル・ウォー」の冒頭でも自らの行動のせいで市民が巻き添えに遭ってしまい、ワンダはそのことを深く悔やんでいた。そんな彼女が、またしても自分が絡んだ結果として最愛のヴィジョンを失えば、当然辛い思いに苛まれていたことだろう。その感情が作り出した幻影がウェストビューを改変させ、魔術のようなパワーで満たしたのだ。

当初描かれていたシットコムの世界も、ワンダの子供時代にソコヴィアで見ていたもの。そのときに飛んできたスターク社製の爆弾で、生活が壊される。弟のピエトロもウルトロンの戦いで失っており、ワンダにとっては喪失の物語が連綿と続くことになる。それらをエピローグとして本作に続くわけだが、ポストクレジットではドクター・ストレンジの世界につながることが示唆されている。同様に、モニカ・ランボーはスクラル人に迎えられており、こちらはキャプテン・マーベルの続編への興味をそそられる。

ワンダはスカーレット・ウィッチとして覚醒したいようにも見えるが、「X-MEN」へのつながりは不明だ。ピエトロが「X-MENバージョン」で登場したのはアグネスことアガサ・ハークネスの作為によるものだったが、このシリーズとの絡みは実現するのだろうか。世界観が異なるので、決して期待しているわけではないのだが、見てみたい気持ちはある。マーベルの手に掛かれば、きっとおもしろい物語に仕立ててくれるだろうから。