【映画】キャプテン・マーベル

ワンダヴィジョンのシットコム部分に登場したジェラルディンことモニカ・ランボーが気になったことと、フューリー長官とエージェント・オブ・シールドでも活躍するコールソンをCG処理で25歳若返らせているということに興味を持ったので、「キャプテン・マーベル」を見てみた。あらためて思うが、マーベルのMCUシリーズは知れば知るほど面白くなる。ちょっとした小ネタにも意味が籠められていて、そこに気づくと他の作品を遡りたくなり、何度も楽しめるというわけだ。

本作で言えば、マーベルがフューリーに渡したポケベルが「エンドゲーム」でマーベルが参戦するためのきっかけになっていることや、四次元キューブをフラーケンが飲み込むことの意味、フューリーの義眼の原因など、挙げ始めたらきりがない。また、視聴者が先の展開に気づきやすいヒントが示されるのも、カスタマーサティスファクションを意識していて素晴らしい。マーベルがなぜ「ヴァース」と呼ばれるのかということは、「Carol Dan」で切断されたネームプレートが暗示しているし、もっといえば登場人物の名前が「Att-Lass(アットラス←アトラス)」や「MInn-Erva(ミン・エルヴァ←ミネルヴァ)」のように単語の途中で切れていることも、ネーミングに至る文脈となっているのだ。

僕にとって、もっと面白く感じられたのが、マーベルが地球に落下した際にビデオレンタル店「ブロックバスター」で手に取るソフトが「ライトスタッフ」だったこと。このブログでも触れたが、同じDisney+で配信されている「マーキュリー・セブン」も原題は「The Right Stuff」で、アポロ計画に先行する有人宇宙飛行計画を扱っているが、その中で自身もパイロットである飛行士候補の妻が、女性の宇宙飛行士を目指すことを断念するストーリーが含まれている。「女にパイロットは無理」という価値観がどちらの作品でも背後に存在していて、そこにマーベルがソフトを手に取った意味を感じるとともに時代を感じさせられた。ただ、とは言っても本作の舞台は1995年。本編にも、いかにもWindows3.1のような挙動のPC画面が懐古的に登場する。古いとも言えるし、新しいとも言える。そんな時代感も感じられる映像だった。