【フィギュアスケート】NHK杯

今年はCOVID-19の影響で変則的なレギュレーションのために、ほぼ日本人選手の大会になってしまったNHK杯。羽生も宇野も宮原も不在なので、シングルに出場している選手たちは皆が優勝のチャンスだと捉えたはず。そのせいか全般的に低調な出来になってしまい、男子シングルではアクセルがシングルになって規定違反で点がつかなかった鍵山がショート首位になり、佐藤駿も田中刑事も低調だった。

女子シングルの坂本花織はブノワ・リショーの振り付けを十二分に生かした見応えのある滑りを見せ、失敗したもののトリプルアクセルに挑んだ樋口新葉や復活の気配を感じさせた三原舞依とともに拍手を浴びていた。そして、何といっても見どころはアイスダンス日本国籍を取得して「小松原尊」という氏名を得たティム・コレトと小松原美里が余裕ある演技で首位に立ったが、初登場となった村元哉中と髙橋大輔も見事にノリを合わせて悪くない演技。そして、もう1組の深瀬理香子と張睿中も僅差で続き、日本のアイスダンスの全体的なレベルが上がっていることを実感した。

それにしても、観客の密集度合いはいかがなものか。男子シングルの選手1名が発熱で欠場したようだが、リンクサイドのスタンドにはかなり詰め込んだ感じで観客席が設けられ、「1席おき」のような施策も取られていなかったようだ。収入がなければフィギュア界も辛い状況だとは思うが、ここで無理をする必要があるようには思えないのだが…