【シービリーブスカップ】日本―スペイン

ネガティブなことばかり書きたいわけではないが、なでしこJAPANの出来もデビスカップ同様かそれ以上に酷かった。攻撃面では、三浦のパスがあわて過ぎで精度を欠き、パスの受け手もトラップが大きくなってしまい、スペインの早い寄せに自由を奪われた。岩渕真奈のゴールは素晴らしかったが、ゴール前で相手を崩す場面は、ほとんど見られなかったように思う。途中交代で入った田中美南を活かせていないし、籾木結花ももっと高い位置でプレーさせなければチャンスは生まれない。

そして、それ以上に酷かったのはDF陣だ。スペインの2点目は、熊谷紗希が不用意すぎる横パスを2人の相手に囲まれている杉田妃和に出してしまったこと。さらに3点目の場面でも、熊谷は寄せられたにも関わらずタイミングを誤って抜け出させてしまった。海外経験もあってフィジカルの強さも持っているとはいえ、センスという意味では不十分だし、キャプテンシーを発揮できていたとも言い難い。

批判の多い高倉麻子監督だが、個人的には応援していた。大会とはいえフレンドリーマッチの位置づけであり、必ずしも勝敗にこだわる必要はない。しかしながら、今日のなでしこJAPANの内容では、今後に向けて希望が言えるとは言えない。世代交代を図るなら植木や遠藤をもっと特長が引き出せる形で使うべきだし、いつまでも熊谷や岩渕ではないだろう。この大会の残りの試合は、高倉監督に今後にとって非常に重要だ。