【TOKYO 2020】女子サッカー/日本―スウェーデン

高さのあるスウェーデン相手にゴールを奪うには、サイドからGKとDFの間にアーリークロスを入れるかショートパスで幻惑して中央突破するしかないと思っていた。その前者の形は長谷川唯から田中美南という元ベレーザ・コネクションで実現されたので、終盤に追い上げる上で後者の選択をするのは当然だ。中盤の守備力のある選手を交代起用したことで高倉監督を批判する声は上がるだろうが、前線は田中と岩渕がベストで終盤まで動けていたのだから、北村も林も妥当な交代だった。

僕は、もっと何もできないままに敗退してしまう懸念を感じていたのだが、そんなことはなかった。ポゼッションで上回り、試合を支配してチャンスを何度も作り出していた。2点目はオフサイドを取っていてもおかしくないプレーだったし、三浦のハンドはアンラッキーと言うしかない。それよりも、前半に1枚イエローをもらっていた三浦がこのプレーで退場しなかったことがラッキーだったともいえるだろう。

この大会で、今後の強化の方向性ははっきりした。とにかく前線で張れるFWの発掘は急務だし、守れる左サイドバックも必要だろう。後は今大会で若い選手が何かをつかんでいてくれれば、あるいは目指すものをみつけていてくれればそれでよい。監督は代えた方がよいかもしれない。ひとつの色に長く染まってしまうと、違う色の原石が輝く場を失ってしまうからだ。田中美南は高倉監督に評価されない時代を経ての、今大会での活躍だった。きっかけを作るために、監督を代えるのは有力な選択肢なのだ。