【女子プレACL】現代製鉄レッドエンジェルス―日テレベレーザ

AFCが創設を計画している女子ACLのプレ大会は、日本、韓国、中国、オーストラリアの代表クラブによる総当たり戦。初戦を中国のチームと引き分けたベレーザは、韓国の現代製鉄レッドエンジェルス(Hyundai Steel Red Angels)と対戦した。まるで大分トリニータの試合を見ているかのような錯覚に陥るのは、ビルドアップはできるものの前線に収まらないという展開のせいだろう。エースFWの田中美南が力みすぎている印象で、決定機までは作れない。

しかし、後半の立ち上がりに植木理子のヘッドで先制すると、その後は寒さと相手の寄せに動きが落ちたベレーザが押し込まれる場面も増え、膠着状態が続いた。表示されたアディショナルタイム2分が経過し、3分台に入っても主審は時計を見ようとしなかったので、仁川でのゲームということを忖度しているようにも見受けられた。それなら、ベレーザがもう1点取ってくれたらおもしろいのにと思っていたら、左サイドからの崩しに中央やや右で待っていた小林里歌子が追加点を叩き込む。

国内では圧倒的な強さを誇るベレーザだけに、勝ったとはいえこのような苦しい90分を味わう機会はめったにないはず。その意味では、大きな価値のある勝利だろう。しかも、この試合では有吉や清水を外して若手を起用していた。それでも勝ち切るあたり、ベレーザの新陳代謝は見事だとしか言いようがない。