【United Cup】ポーランド―イタリア

勝敗を決めるかと思われたハルカッチとベレッティーニの一戦を取ったイタリアが優位に展開したブリスベンの決勝は、リネッテが取り返してミックスダブルスに勝敗が委ねられた。大雨が屋根の横の空間から降り込む微妙なコンディションになり、上層部の観客は横風で、傘やカッパも役に立たない状況。それでも選手たちは楽しそうにプレーしていたが、ロザテッロだけは表情が終始硬かった。

序盤はイーブンに進む中、シングルスで敗れているハルカッチはやや空回り。自分がなんとかしようという意識が強すぎて、余計なところでポーチに出るなど裏目に出てしまっていた。その逆境をポーランドが乗り越えたのは、シフィオンテクのファイターぶり。ムゼッティに対して狙いすましたボディ攻撃を連続して決め、最後はムゼッティが逃げるのが精一杯になるほど。これでメンタル的にも優位に立ったことは間違いない。

シフィオンテクのおかげでハルカッチも終盤には調子を取り戻し、当たり損ね気味のリターンがロザテッロを越えて深いところに落ちるなど、勝利には大いに貢献してくれた。敗れたイタリアもワイルドカードで準決勝進出が決定し、ポーランドアメリカ、イタリアはギリシャと金曜日に対戦する。ポーランドとイタリアは、決勝での再選も期待できる。相手の戦い方がわかった状況で、どんな決勝になるかを想像のも面白そうだ。

【United Cup】フランス―クロアチア

初日にランデルクネクとコルネで2敗して後がなくなっていたフランスは、ガルシアがマルティッチと対戦。ファーストセットの序盤は、マルティッチの力強いショットにガルシアが押され気味のまま進行した。何とかガルシアが耐えてタイブレークに突入すると、6-4でガルシアがセットポイントをつかむ。しかし、ここからマルティッチが3ポイントを連取して、逆にセットポイントを奪われてしまう。なおももつれて9-8でガルシアがセットポイントを迎え、マルティッチのセカンドサーブで大きく前に出て構えたガルシアに対し、マルティッチがまさかのダブルファーストを叩き込んでエースを奪う。ところが、ここからガルシアが2ポイントをもぎ取って、飛び上がって喜びを表現した。

そのままの勢いでガルシアが勝利を収め、迎えたマナリノとゴヨの一戦。重苦しい展開となってファーストセットのタイブレークを、5-5からミニブレークという一番嫌な形でマナリノが落としてしまう。明確なストロングポイントのないマナリノだが、それでも相手のミスを誘うように粘り強くリターンを返すテニスでゴヨの隙を突いて、どうにかセットオールに持ち込むと、ファイナルセットもブレークアップでサービング・フォー・ザ・マッチを迎えた。しかし、ここから消極的なテニスが裏目に出る。主導権をゴヨに握られて攻められると、逆に自ら崩れ始めるマナリノ。結局、タイブレークを落としてフランスの敗退が決まった。

僕としては、ロジェ・バセランとガルシアのミックスダブルスを楽しみに待っていたのだが、この敗退決定でガルシアに代わってポンシェを起用。遅い時間になっていたこともあり、Tennis TVでの観戦を止めてしまった。スペインも敗退してしまったので、こうなるとハルカッチとシフィオンテクを擁するポーランドを応援するしか選択肢がなくなってしまった。イタリアとのブリスベーン決勝に期待しよう。

【箱根駅伝】駒大3冠達成

学連選抜として出走した育英大の新田颯が快走して始まった今年の箱根駅伝は、波乱を含みながらも最後は駒澤大学が出雲、全日本に続いて3冠を達成した。青山学院大学が当日変更した5区と6区で順位を落としながら、9区岸本が執念の挽回を見せた。一時はシード権争いからも大きく後れを取った東洋大学も、終盤にどうにか順位を戻して無事にシード権を獲得。やはり地力に勝るチームは、総合力で戦うということなのだろう。

それにしても、今年の目玉は中央大学だった。名門ながら、注目を集めるポジションにはいなかった近年だが、吉居大和と中野翔太が連続して区間賞を取ると、最後まで順位を落とさずに2位でフィニッシュ。来年の100回大会に向けて、強化が進んでいるようだ。全般的にレベルが上がりつつも各校の差は小さくなっているようで、繰り上げスタートが減少していたのは歓迎すべきこと。やはりリレー競技は、襷をつないでこそ意味がある。

大会終了後に駒大の大八木監督の退任が発表されたが、日本テレビの中継では異常なほどに大八木監督への賛辞が続いていたので、恐らくは退任情報がリークされていたのだろう。実況アナウンサーが執拗に解説の渡辺康幸に大八木礼賛コメントを仕向け、何度もわざとらしいまでの美辞麗句が尽くされた。後任となる藤田敦史コーチへの賛辞もあったので、明らかに仕組まれたコメントだったのだと思う。

「学生に練習内容を任せる」スタイルに変えたことも褒めていたが、思いのままに選手を起用したり、「親になったような気分」とはいえ選手を駒のように扱う声掛けをしたりと、結局は古い価値観でしかない。それは駅伝業界のスタンダードらしく、1区で新田以外に全員が監督の指示に従って様子見に走ってしまっていたが、選手が臨機応変に判断してこそ大学教育の一環たり得るのではないだろうか。

【アデレード国際1】ルーネ―西岡良仁

悪童っぷりを発揮するデンマークの19歳ホルガー・ルーネに西岡良仁が挑んだ2023シーズンの開幕戦。序盤はルーネの勢いが勝り、西岡は自分のテニスができない。相手の強いショットに振り負けないようにすることに腐心してしまった西岡に対し、ルーネはお株を奪うかのように回転を変えて打ち分ける。歯車がかみ合わないままファーストセットを落とした西岡だったが、セカンドセットに入ると盛り返す。

西岡が相手のツボを理解したのか、あるいはルーネの集中が途切れたのか、いずれにしても西岡のペースに持ち込めるようになり、ブレークを先行する。2ブレークアップから1つ返されたものの、最後は何とか逃げ切った感じでセットオールに。ファイナルセットは第1ゲームで2本のブレークポイントを西岡がつかみながら、取り切れない。嫌な流れになりかけたところを第5ゲームで西岡が先にブレーク。ここはすぐに返されるものの、直後にまたブレークを奪う。ルーネは当たりはずれのあるサーブで、入らなくなるとダブルフォルトが重なってしまい、自滅に近い展開。対する西岡は、手足の長いルーネに効果的なボディサーブを要所で決めていた。

ゲームカウント5-4で迎えた西岡のサービング・フォー・ザ・マッチ。この時点では流れが西岡に傾いており、ルーネのモチベーションもかなり削られていたように思う。最後は想定以上にあっさりと西岡が取って、2回戦へと駒を進めた。西岡は相変わらず身振りで自分のミスを振り返ったり、不満気な表情を浮かべることはあったものの、必要以上にメンタルを乱してはいなかった。これはザハルカコーチの影響なのかもしれない。陣営席にはデビスカップのキャプテンに就任した添田豪が、現役時代よりも精悍な表情で座っており、2月にポーランドを迎える準備を進めていたようだ。

【オンラインツアー】世界の初日の出

HISのオンラインツアー「2023元旦・世界の初日の出を拝もう!世界7都市ライブツアーは」、元旦の未明から夜にかけて世界各地の初日の出を断続的に巡ります。キャンペーン価格で1,840円にしては盛りだくさんで、充実したツアーになりました。まずはニュージーランドから始まるのですが、これは深夜2時前なのでスルー。朝8時過ぎのウドンターニーから参戦しました。

赤い蓮の花が咲き乱れる湖面から上る太陽は幻想的。タイにこんなスポットがあったのだと、新たな気づきもありました。

そして、画面が切り替わるとアンコールワット。寺院からは少し離れた場所ながら、荘厳な雰囲気は十分に伝わってきます。

いったんツアーが中断し、お昼に再開するとケニアのツァボ国立公園から野生動物を追いつつ日の出を眺めます。キリンやシマウマ、ダチョウも見ることができましたが、地平線に上る太陽はやはり圧巻です。

短い中断を挟んでエジプトのアレキサンドリア。ギザのピラミッドからの中継もありました。そして、さらに中断後にはチェコプラハです。

先日は雪景色のクリスマスマーケットをオンラインで訪れた街ですが、元日のプラハは晴れてカレル橋からの日の出もきれいです。BGMにはモルダウを流して、気分も盛り上がります。実は、プラハ編の開始時間が直前に変更になるという混乱がありました。日の出時刻を読み違えていたのか、サマータイムの時期に間違えて設定したのか、真実が気になります。

最後は21時過ぎのメキシコ。イスラ・ムヘーレスとカンクンに二元中継です。イスラ・ムヘーレスでは街歩きもあり、ストリートアートも楽しめました。カンクンでは、マリアッチの楽団がラテン音楽を奏でます。ヴァイオリンの音がかすれ気味で、恐らく弓に松脂を十分に塗っていなかったのではないかと思いました。まあ、そんなことを気にしなくても楽しい雰囲気が伝わってきたのでOKなのですが…

丸一日楽しめるツアーなので、また来年も中継地を変えて実施して欲しいもの。ぜひ参加したいと思っています!

【料理】自家製あんバターサンド

2023年も、T’s Whisperをよろしくお願いします!

例年通り年末にあんこを炊いて、今年はさらに自家製ちぎりパンで、あんバターサンドを作りました。パウンドケーキ型に入れて焼いたパンは、思った以上にふっくら仕上がって、いい感じでした。あんこをホットミルクに溶かした「十番」とは、相性抜群です。十番はコーヒー屋台モトヤのオリジナルこしあんラテですが、僕は粒あんで再現しました。

 

【United Cup】フランス―アルゼンチン

さほど大きな力の差があるようには思っていなかったが、結果を見ると5-0でフランスの完勝。アルゼンチンはセットを奪えないばかりか、ベーグルで落とすセットも散見される散々な内容だった。選手の表情を見ると時差のせいか眠そうな雰囲気もあったが、それは勝ったフランスも同様で、もうひとつ盛り上がらない客席と相俟ってこの大会の存在意義を考えさせられることとなった。

一番期待していたミックスダブルスが消化試合になっていたのは残念だが、そんな状況でも手を抜かず、女子選手にも遠慮なく強いリターンを狙うロジェ・バセランがチームを引っ張る。ロジェ・バセランがポーチを楽しむかのように次々と決めれば、ガルシアもバックから逆クロスを叩き込む。この組み合わせは最強で、アルゼンチンにつけ入る隙を与えなかった。シングルスに続いて2試合で完敗したポドロスカは、悔しかったことだろう。

ラウンドロビンの戦いを有利にしたフランスだが、この組にはクロアチアもいる。クロアチアはベキッチとチョリッチが出場するので、侮れない相手だ。マナリノもランデルクネクも安定した強さを持っているわけではないので、好調なガルシアと実績のあるミックスに頼ることになるだろう。フランスは世代交代の真っ只中だが、それにしても本大会のラインナップは寂しい。アルゼンチンもシュワルツマンを欠くし、クロアチアもチリッチやパビッチ、ドディグがいない。ただでさえ人口の多くないパースでは、集客できないのももっともだろう。