【アデレード国際1】ルーネ―西岡良仁

悪童っぷりを発揮するデンマークの19歳ホルガー・ルーネに西岡良仁が挑んだ2023シーズンの開幕戦。序盤はルーネの勢いが勝り、西岡は自分のテニスができない。相手の強いショットに振り負けないようにすることに腐心してしまった西岡に対し、ルーネはお株を奪うかのように回転を変えて打ち分ける。歯車がかみ合わないままファーストセットを落とした西岡だったが、セカンドセットに入ると盛り返す。

西岡が相手のツボを理解したのか、あるいはルーネの集中が途切れたのか、いずれにしても西岡のペースに持ち込めるようになり、ブレークを先行する。2ブレークアップから1つ返されたものの、最後は何とか逃げ切った感じでセットオールに。ファイナルセットは第1ゲームで2本のブレークポイントを西岡がつかみながら、取り切れない。嫌な流れになりかけたところを第5ゲームで西岡が先にブレーク。ここはすぐに返されるものの、直後にまたブレークを奪う。ルーネは当たりはずれのあるサーブで、入らなくなるとダブルフォルトが重なってしまい、自滅に近い展開。対する西岡は、手足の長いルーネに効果的なボディサーブを要所で決めていた。

ゲームカウント5-4で迎えた西岡のサービング・フォー・ザ・マッチ。この時点では流れが西岡に傾いており、ルーネのモチベーションもかなり削られていたように思う。最後は想定以上にあっさりと西岡が取って、2回戦へと駒を進めた。西岡は相変わらず身振りで自分のミスを振り返ったり、不満気な表情を浮かべることはあったものの、必要以上にメンタルを乱してはいなかった。これはザハルカコーチの影響なのかもしれない。陣営席にはデビスカップのキャプテンに就任した添田豪が、現役時代よりも精悍な表情で座っており、2月にポーランドを迎える準備を進めていたようだ。