【バスケ】日本―フランス

AKATSUKI FIVEことバスケ男子日本代表が浦和でフランスと対戦。オリンピックは無観客なのにしっかり観客を入れているところが、さいたまスーパーアリーナのチケットを持っていた僕には気になるところだった。フランスといえば、かつてはトニー・パーカーやディーオのようなスター選手がいて、とても日本が太刀打ちできる印象はなかったのだが、八村も渡邊雄太もいる現在は状況が違った。

八村のプレーは安定していたが、一番印象的だったのは日本がわずかにリードした4P終盤に、ここぞという場面でリバウンドを押さえて勝利をほぼ確定づけたシーン。うまく守ってもセカンドチャンスで決められることが以前の日本では多かったが、しっかりリバウンドをキープできれば戦い方はかなり楽になる。

そして、この試合で一番見ごたえがあったのは比江島の4ポイントプレーだ。コーナーからの3Pをファウルを受けながら決め、カウントワンスローもしっかり沈めての4Pプレーは、そうそう見られるものではない。SGらしさ全開の素晴らしいプレーだった。センターをこなせるエドワーズの負傷は気になるが、この勢いでひとつでも勝利を収めてもらいたいところだ。

【映画】テネット

前評判に違わず、わかりにくい作品だった。設定自体が複雑なこともあるが、物理現象である「対生成/対消滅」や「エントロピーの減少」といった事象をエッセンスだけ使っていることも大きいように思う。これらの事象は、一般教養レベルでは興味を持っている僕でも深く理解できているわけではないし、一般的な視聴者にとっては魔術の呪文と同じような意味にしか伝わらないのではないだろうか。逆に言うと、だからこそエッセンス以上には使えなかったのだろう。

タイトルの「TENET」が、順行と逆行という視点では「TEN」という単語の順行と逆行を示していることは、何となく気づく。軍事作戦に要する10分という意味と「9つのパーツ」を集めて動かす者としての「10」とう意味がありそうだが、そのあたりもこれ見よがしに見せるのではなく、ストーリーの中にサブリミナル程度に潜ませているくらいなのだ。制作陣が持っているテーマを十分に提示できたとは思えないし、こちらが十分に受け取って咀嚼できたとも思えない。

そう考えると、本作は映画ではなくドラマとして50分×10話くらいのボリュームをもたせてもよかったのではないだろうか。予算の関係もあるだろうが、派手な爆破やカーチェイスよりも、物理法則を絡めながら知的好奇心を刺激してくれた方が満足感高かったのではないかと感じる。ドラマを作るためのショーケースなのだとしたら、ある意味成功しているとは思うのだが…

【U24日本―スペイン】期待感と警戒感

スペインを相手に、ほぼベストメンバーと考えられる前半のメンバーでは圧倒していたと言ってよい内容を見せたU24日本代表。これによって国内外の期待感も高まったことは間違いなさそうだが、同時に他国が警戒感を高めてしまったことだろう。何よりも素晴らしかったのはミドルレンジのパスを狙い続けるスタイル、そしてそのパススピードの速さだった。隣の選手に「各駅停車」でパスを回すのではなく、ボールが転がっている間に相手がいくつものアクションを取れる間も与えず、しっかり受けて次につなげる。そんな上質なヨーロピアンなサッカーを前半に体現していたのは、スペインではなく日本だった。

ただ、後半に入ってメンバーを落とすと、プレーの質も変化する。長いパスは明らかに減り、そのスピードも落ちた。その傾向はスペインがペースを握ったことでさらに強まり、結果的に失点してしまったことにもつながっている。オリンピックの、特にグループリーグは連戦なので、選手の選択と交代をうまく見極めないと、最後に勝ち点がどう積み上がるかに大きく影響してしまうはず。ここは、森保監督に与えられた最大のミッションということになる。

足の張りということで別メニュー調整と伝えられている三苫は、本当にコンディションの問題なのだろうか。この時期にジョーカーを隠すことは珍しくなく、三苫は間違いなくその資質を持っている。彼がもたらすスパイスは、前半の上質なサッカーをさらに引き上げてくれることだろう。そして、オリンピックで活躍した選手には、当然ヨーロッパの強いチームからオファーが届く。三苫にはすでに話があるようだが、スペイン戦のようなパフォーマンスを見せれば、ヨーロッパ内での移籍を含めジャンプアップできる選手は少なくないだろう。

【新宿東口】3D巨大猫

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最近話題の、新宿東口「クロス新宿ビジョン」の3D巨大猫。リクエストもいただいていたので、出勤途中で寄ってみましたが、思っていた以上に迫力があります。朝は7時から見られるみたいです。そして夜は「おやすみバージョン」になるらしいので、そちらも見てみたい!

【Disney+】ロキ エピソード6

ロキには、かなり期待していた。それだけに、シーズン1の最終話を見終わって、肩透かしを食ったような拍子抜けの感覚がある。ここまでのエピソードでは、わかりにくい設定や他のマーベル作品とのオーバーラップがほとんどないことが気になりつつも、エピソードの終盤で抱かせてくれる期待感がそれを帳消しにしていたのだ。

実際のところ、他の作品に共通するキャラクターはレディー・シフくらいではないだろうか。最後まで、どこにつながるのだろうかという期待を持っていて、このブログでも書いたようにスターウォーズのユニバースではないかという淡い希望もあった。しかし、結局よくわからないまま、どこにもつながらずに終わってしまった。この展開で「ロキはシーズン2で帰ってくる」と言われても、「まあ、そうだろうね」という以外にはコメントはない。

MCUファンが何を期待しているか、マーベルもディズニーも完全に読み違えているのではないか。広げる風呂敷が大きすぎて全容がつかめない。それなら、まだ救いはある。ただ、ゴールの想定ができない中でストーリーだけが自己増殖し、最後は回収し切れずに終わるのは最悪だ。そう、あの「LOST」の再現だけは、何としても避けて欲しいのだ。

 

【EURO2020決勝】イタリア―イングランド

PK戦のキッカーには、2通りの考え方がある。競り合って終盤にヤマが来ると考えるか、早めに差をつけて突き放すかのどちらかだ。ガレス・サウスゲートの選択は後者だったのだろう。主軸のケインとマグワイヤに続いて、延長タイムアップ直前に投入した2人を蹴らせ、最後はこれからのイングランドを担う新星サカに委ねた。しかし、これだけ大きな大会の、それも決勝で、ピッチに入ってすぐにPKを蹴るプレッシャーは小さくないはず。プレーがそれだけだということは、迷うポイントがそこしかないのだ。そして19歳のサカに至っては、直前にイタリアのPK職人ジョルジーニョが失敗しているだけに、ドンナルンマとの駆け引きも重要だったはず。どう考えてもイングランドは、この5人のオーダーに間違いがあった。

それにしても、ルーク・ショーの先制点は見事だった。ここしかないニアポストとGKの隙間に計ったように、しかしながら力強く蹴り込んでの先制点だ。イングランドは引き気味になり、イタリアがこじ開けるのは難しいと思われたが、ボヌッチが魅せた。先日は乱入したファンと間違われるといううれしくないイベントがあった彼だが、ゴール前での執念を見せてこぼれ球を叩き込んだ。どちらのゴールも、迫力もテクニックも兼ね備えたもので、決勝にふさわしいものだった。

PK戦の多さとVARによる判定変更、集中開催でないフォーマットなど違和感が拭えない大会だった。準決勝と決勝がウェンブリー開催で、全体的にイングランド有利なスケジュールだったことも批判の対象になっている。まあ、サッカーに世界では昔からそんなものなのだが、あまり進歩していない部分と進歩がなじんでいない部分が共存しているようだ。

今大会の裏では、グリズマンとデンベレが過去の過ちを糾弾されている。日本人としては気分の良いものではないが、そもそも4年前のグリズマンは垢抜けない選手だった。それがEUROでの活躍から雰囲気が変わり、すっかり貴公子然としたスタイルになってしまった。あの愚行も、さもありなんというところだ。

【映画】ブラック・ウィドウ

木曜日から劇場公開が始まったばかりの作品だが、Disney+のプレミアアクセスでも配信が始まっている。税込み3,278円は安くはないが、交通費をかけて映画館で2人で見るよりは経済的だし、133分の長丁場なので途中で止めてトイレに行ったりできるのもありがたい。何よりもコロナ禍のご時世なので、すべてを考慮すればファーストチョイスだろう。

序盤の内容は、マーベル作品というよりもスパイ映画。どれも極上のスパイ映画だ。舞台はノルウェーフィヨルドに囲まれた片田舎やブダペスト、モロッコと007やその手のスパイ映画で登場するような雰囲気のある街だ。そこで派手なカーアクションが展開され、アイデアに満ちた意外性のある仕掛けにも実にワクワクさせられる。スカーレット・ヨハンソンの表情が全編を通して暗めなのは気になるが、ナターシャがエンドゲームですでに死亡しているキャラクターであることが影響しているようにも感じた。

本作は予想通り、ミニシリーズの「ホークアイ」につながることを示唆して終わる。そして、ナターシャ亡き後の世界で役割を担うのは「妹」のエレーナだ。彼女のキャラクターは濃く、アメリカ的なユーモアも見せてくれるので、人気は出そうな気がする。ホークアイは登場はしないが、随所に存在感を見せつつ今秋に配信予定のドラマへの期待感を募らせてくれる。その意味では、本作は「ファルコン&ウィンターソルジャー」同様に代替わりを明示する位置づけであって、「つなぎ」の作品と考えてよいだろう。今後のMCUの展開に、ますます期待してしまう。