【映画】ブラック・ウィドウ

木曜日から劇場公開が始まったばかりの作品だが、Disney+のプレミアアクセスでも配信が始まっている。税込み3,278円は安くはないが、交通費をかけて映画館で2人で見るよりは経済的だし、133分の長丁場なので途中で止めてトイレに行ったりできるのもありがたい。何よりもコロナ禍のご時世なので、すべてを考慮すればファーストチョイスだろう。

序盤の内容は、マーベル作品というよりもスパイ映画。どれも極上のスパイ映画だ。舞台はノルウェーフィヨルドに囲まれた片田舎やブダペスト、モロッコと007やその手のスパイ映画で登場するような雰囲気のある街だ。そこで派手なカーアクションが展開され、アイデアに満ちた意外性のある仕掛けにも実にワクワクさせられる。スカーレット・ヨハンソンの表情が全編を通して暗めなのは気になるが、ナターシャがエンドゲームですでに死亡しているキャラクターであることが影響しているようにも感じた。

本作は予想通り、ミニシリーズの「ホークアイ」につながることを示唆して終わる。そして、ナターシャ亡き後の世界で役割を担うのは「妹」のエレーナだ。彼女のキャラクターは濃く、アメリカ的なユーモアも見せてくれるので、人気は出そうな気がする。ホークアイは登場はしないが、随所に存在感を見せつつ今秋に配信予定のドラマへの期待感を募らせてくれる。その意味では、本作は「ファルコン&ウィンターソルジャー」同様に代替わりを明示する位置づけであって、「つなぎ」の作品と考えてよいだろう。今後のMCUの展開に、ますます期待してしまう。