【エミー賞】檀上のプロポーズ

70エミー賞授賞式はダイバーシティがテーマだったようだが、明らかに本質を見損なっている薄っぺらいジョークがMCやプレゼンターから繰り返され、冗長な展開になってしまった。人種問題をネタに笑いを取ろうとするようでは、ダイバーシティインクルージョンの実現は程遠いと言わざるを得ない。

 

バラエティ・スペシャル部門の監督賞を受賞したグレン・ワイスは、受賞スピーチの中でガールフレンドへの思いを語りだした。2週間前に他界した母親への惜別の辞からガールフレンドの話に展開し、「もうガールフレンドではなく、妻と呼びたい」ということを表明してしまった。これに盛り上がるノミニーたちはそのガールフレンドであるジャン・スヴェンソンを檀上へと送り出す。そして壇上で待っていたグレンは、母の形見の指輪をジャンの指にはめ、ひざまずいた。こんな予想外の展開で、一気に授賞式の雰囲気は変わってしまった。

マーベラス・ミセス・メイゼル」が強さを見せつけ、「ゲーム・オブ・スローンズ」は相変わらず評価が高かった。そんな中、僕も前のシーズンを見ていた「ウエストワールド」も受賞に至ったのはうれしかった。今後の期待としては「アメリカン・クライム・ストーリー」シリーズの「ベルサーチの暗殺」。役者陣も存在感があり、ミステリーとしても楽しめそうだ。