【グラミー賞】ダイバーシティ論争の果て

今年のグラミー賞は、女性やヒップホップ系アーティストが賞を取りにくいことが取りざたされ、ドレイクやケンドリック・ラマー、チャイルディッシュ・ガンビーノ、そしてアリアナ・グランデがパフォーマンスを辞退したとの報道があった。その対策なのか、MCには長年の禁を破って女性のアリシア・キーズを起用した。

冒頭からハイテンションなアリシア・キーズにリードされて登場した女性たちの中にはレディ・ガガはもとより「M.O.」のクレジットでミシェル・オバマが含まれていたことに驚かされた。そこまでして、ダイバーシティインクルージョンを意識していることを表明したのだ。プレゼンターにBTSを起用したことも意味深だが、さらに終盤にはアカデミーの代表のスピーチでダイバーシティについて意思表明した。これは、まるでポジティブ・アクション、つまり「本当は受賞に値しないのに、マイノリティだからあえて賞を与えた」と言っているように聞こえた。

パフォーマンスでは、レディ・ガガブラッドリー・クーパーのパートまでこなすのはよいが、演技が過剰で純粋に楽曲を楽しめなかった。ジェニファー・ロペスの持ち時間が長かった反面、せっかく登場したフィリップ・ベイリーはほとんど見せ場がなく拍子抜け。逆に素晴らしかったのは、ショーン・メンデスとマイリー・サイラスのコラボで、伸びやかなボーカルを十分に堪能させてくれた。