【サントリー美術館】清方ノスタルジア

この時期、六本木の東京ミッドタウンはクリスマスイルミネーションで賑わっていますが、20時まで鑑賞できるサントリー美術館は意外に空いています。18時以降は100円引きなので、ちょっとだけですがお得ですよ。年明けまでは、日本画家・鏑木清方の展覧会「清方ノスタルジア」を開催中です。

鏑木清方(かぶらききよかた)は美人画で有名ですが、もともとは挿絵画家として地方新聞で活躍していたそうです。彼の描く人物画は、イラストのようなデッサンのような輪郭線が特徴ですが、このあたりは挿絵の画調を思わせますね。そして、明確な表情によって表される人物の感情が、物語のように訴えかけてくるのです。

死を決意した男女が歩く向こうに、妖怪のような影が浮かぶ作品の張り詰めた雰囲気。そして和風な人魚の妖艶な表情。しっとりとした美術館の中を、落ち着いた時間が流れています。これから師走のあわただしさを迎える中、ちょっと立ち止まるにはよい展覧会でした。

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