【コミック】BLUE GIANT SUPREME(4)

BLUE GIANT SUPREMEの4巻を読んだが、本当にこの作品は音楽の深みが描かれていると思う。特に宮本大が集めたメンバーがジャムセッションでお互いの腕を確かめようとする場面で、サックスとピアノ、ベース、ドラムスの音というよりもステージの熱気やインプロビゼーションの駆け引き、お互いの音を感じている様子などが見事に描き出されている。「ボンボン」「チーチッ」というような擬音表現は冗長な印象もあるが、それを補って余りある描写なのだ。

BLUE GIANTが悲劇的な終わり方をしていただけに、続編がどう展開するのか不安も半分あったものの、ハンブルクからベルリンとドイツを舞台にヨーロッパの多民族性や歴史までもしっかり扱われていて違和感なく読み進められる。唯一気になるのは、宮本大の語学力。フィクションだから許せるが、そんなに簡単なものではないことは理解しているだけに、ちょっと複雑な思いがある。

おそらく、4巻で集まったバンドメンバーもゴールではないだろう。ここから、さらにヨーロッパを回り、アメリカにまで渡る気がしてならない。僕がニューヨークのライブハウス「ヴィレッジ・ヴァンガード」でBad Plusというバンドの演奏を見たときのように、ワクワクさせられて思わずニヤっと笑いが出てしまうような瞬間の描写をぜひ見てみたい。