【セリエA】本田圭佑ミランデビュー

本田圭佑ミランとしてのデビューはミッドウィークのカップ戦かと思われたが、リーグのサッスオーロ戦で予想外の展開となったことでチャンスが訪れた。2点を先制しながら、FWベラルディにハットトリック+1の4点を決められてしまう。ミランの最初のカードは攻守への梃入れだったが、この展開であれば負傷交代がない限り、「敗戦」「ハットトリック」からマスコミやサポーターの目を逸らす意味でも、新加入選手の起用が考えられた。
 
そして後半20分、予想通り本田がビブスを外してピッチサイドに現れる。それまで中盤が機能せずに、個人技に頼りがちな展開だったミラン。本田の投入以降、本田が中盤でゲームを作り、ボールタッチを増やしながらビルドアップする展開に持ち込んだ。前線で再三チャンスに絡んだのも、その結果だ。ポストを叩いたシュートばかり取り上げられるが、その前のヘッドこそ本田の真骨頂だ。
 
2006年10月、北京オリンピックに向けた国立競技場での反町ジャパンの中国との親善試合。これは、僕が本田圭佑を唯一、生で見たゲームだ。本田は左ウィングでの起用だったが、右サイドで作ったチャンスにファーサイドからヘッドで合わせる迫力は、本田の実力を窺わせてくれた。
 
残念なのは、ビルドアップの中でもう一人のキーマンであったMFモントリーヴォが、パスの選択肢として本田をカウントしていなかったこと。この二人のコンビネーションが確立されれば、ミランはもっと魅力的なサッカーで結果を残せるはずだ。今後の本田圭佑に期待しよう。