【東京都美術館】ボッティチェリ展

東京都美術館で1/16に始まったボッティチェリ展では、ルネサンス絵画の奥の深さを見せつけられました。ルネサンス絵画あるいはイタリア絵画というと、様式的で似たような宗教画という先入観があったのですが、ボッティチェリのアプローチは実に多彩でした。

描画の線を大事にして、その線で区切られた面をはっきり塗り分ける作品は僕の中では「イラストっぽい」というカテゴリーに入るのですが、フレスコ画の作品や「キリストの磔刑」に特徴的です。日本流のマンガの技法にも通じるものがあり、磔にされたキリストが「聖☆おにいさん」のキリストに似て見えたほどです…

ボッティチェリ以外の作品も含めて聖母子をテーマとした作品が多くありますが、それぞれに伝わってくるものが異なり、聖母の表情にも魅せられてしまいます。僕は普段、立体にはあまり興味が湧かないのですが、デル・ヴェロッキオの聖母子のレリーフに刻まれた聖母の凛々しく、かつ儚げな表情が特に印象に残りました。

今年の夏にミラノを訪れる予定なのですが、これまではあまり興味のなかったイタリア美術をいろいろ見て回りたくなりました。今年は「日伊国交樹立150周年」ということで、国内での展覧会も数多く企画されているので楽しみです。