【東京ステーションギャラリー】ジョルジョ・モランディ展

東京駅の東京ステーションギャラリーで開催されている「ジョルジョ・モランディ展 ―終わりなき変奏」を訪れました。モランディは独自の画風を貫いた孤高のイタリア人画家で、生涯ボローニャで生活していたそうです。今年は日本とイタリアの国交150周年ということもあって、ダ・ヴィンチボッティチェリ、カラヴァッジョらの展覧会も目白押しで、イタリア美術の触れる格好の機会になっています。

この展覧会は序盤の凡庸ともいえる静物画の連続に耐えると、そこに籠められた意味が見えてきます。対象の捉え方の変遷を理解した上で、風景や植物に対する視点を見つめると、彼がキャンバスの中に対象を空間の主役にしたステージを構築していることがよくわかるのです。とても興味深いキュレーションですが、小品が多いために「満腹感」を味わいのは少し難しそうです。

ボッティチェリの作品も、先入観で思い込んでいたよりずっと多彩で自由な印象がありましたが、モランディの作品からはイタリアっぽさをほとんど感じません。イタリア=ルネサンス絵画と信じていた自分の知識の浅さが如実になったのは、ある意味よかったのだと思います。