【サッカーU23】アジア最終予選タイ戦

4-0という点差がついたとはいえ、タイ代表はチャレンジャーに徹していた。序盤から一気にパワー全開で仕掛け、果敢にゴールを狙った。かなり押し込んでいた時間帯もあったが、日本の守備は堅かった。しかしながら、あのPKが決まっていれば展開はわからなかったといえる。サッカーとはそんなものだ。

手倉森監督は選手を大胆にターンオーバーさせ、結果を残した。グループの1位通過まで決めてしまったのだから上出来ではあるが、心配でもある。個々の選手は出場時間が短く、この大会の流れに乗り切れていない可能性があるからだ。そして、サウジアラビア戦でこれまで出場していない松原やGK陣を起用した場合、さらに試合勘が鈍る可能性がある。選手の体力を温存することと試合勘のどちらを重視するかで、流れが変わるかもしれないのだ。

また、タイ戦の大勝で前線の選手が「オレがオレが」という心理状態になったり、逆にゴールを決めていない選手にボールを回すようになることもある。決勝トーナメントにおいては、そんな心理の綾が命取りになりかねない。ボランチの遠藤もミスは多く、過剰な期待はすべきではないだろう。監督とスタッフが、しっかりとメンタル面までケアすることが求められる。