【レオナルド・ダ・ヴィンチ】糸車の聖母

両国の江戸東京博物館で今日から始まったダ・ヴィンチ展には、「糸車の聖母」が出展されています。会場のハコも期待薄ですが、近隣の国技館では大相撲が本場所中という状況から客層も悪いことは想定の範囲内だったのですが、それらを差し引いても見る価値のある展覧会でした。

「糸車〜」に描かれている聖母は妙に手が大きく、また全体的に歪んでいる印象なのですが、本展のキュレーションはそれが左脳で緻密に構築された遠近法と見る角度をカンバスに再現する実験なのだと感じさせてくれました。鳥が風を受けた際にどのように立て直すかについての考察が展示されていて、動体視力や仮説検証に対するコミットメントに感服するとともに、「糸車~」を鑑賞する視点を与えてくれるのです。

そして、ダ・ヴィンチのそこまでして自分が表現するものにロジックを求める姿勢には驚かされました。ただ、よく考えてみると、僕の会社の社内にも似たような人はすくなからずいるんですよね。理系の発想と言ってしまえば、それまでですが…