【ラグビーワールドカップ】日本代表の進化

スコットランドには敗れたものの、南アフリカサモアに勝って決勝トーナメント進出の可能性を残している日本代表。ワールドカップでは毎回期待を裏切ってきたが、今回の力は本物だ。何より、FWの動きが違う。ボールハンドリングが見違えるほどよくなっているし、判断も早い。ただ突っ込んでいくだけのシーンは少なく、ゲインを切ろうという意図が形になって実っている。

どうしてもBKの活躍が目立つし、FB五郎丸のキックに注目が集まるのは仕方ない。しかし、今大会でBKに効果的な展開ができているのは、間違いなくFWの貢献によるものだ。特にHO堀江は素晴らしい。元FLという特性を活かした突破はもちろん、ラインナウトでのスローイングでも存在感を示している。

それに比べるとLOトンプソン、FLブロードハースト、CTBマレ・サウやWTB松島は、やや判断の迷いがあり、単調な攻めになってしまうところは残念だ。トーナメントに進めなかったとしても、次の米国戦では思い切りのよいプレーでトライを重ねて欲しい。そうすれば、世界のラグビーファンの記憶には確実に残るだろう。