【ラグビーワールドカップ】イングランド―南アフリカ

ディフェンスの勝利だった。両チームともトライを奪えないのではないかという事前情報は、途中まで当たりそうな展開だった。お互いにガチガチのディフェンスで、BKが走るスペースを消していた。FWが当たってゲインを稼ぐしかない中で、重量で上回るイングランドスクラムでペナルティを重ねてしまった。PGを常に先行される展開から、ついにトライを許したイングランドにはひっくり返すだけの戦術は残されていなかった。

イングランドにはジョニー・メイという強力なWTBがいるのだが、ほとんど活躍のチャンスはなかった。南アフリカはデクラークの緩急自在の球出しが徐々に効果を出し始め、イングランドにボディブローのように効いていったように見えた。ニュージーランドに完敗した南アフリカが、そのいニュージーランドに完勝したイングランドを破る。こうなると、相手に応じた戦術を練り、それをプラン通りに実行するスキルの差なのだろう。

6週間に及ぶ長い祝宴は、これで終わり。華やかな結果を残したブレイブ・ブロッサムズは、南半球の大会にフィジーとともに加入するという情報が流れている。いったんは排除が決まっていたスーパーラグビーも見直す可能性が残ったようで、未来につながる良い大会だったといえるだろう。おめでとう、スプリングボクス。ありがとう、ブレイブ・ブロッサムズ。