【刑事 雪平夏見】アンフェアな国

篠原涼子主演のドラマ&映画で人気の「アンフェア」。その原作である秦建日子の小説「刑事 雪平夏見 アンフェアな国」を読了しました。軽快なテンポとリアルな会話は秦建日子の魅力だけど、今回のように日韓関係のような重いテーマを扱うと、こんな軽くていいのかと心配になってしまいます。

脚本が本来の専門だけあって、状況設定とその描写はとてもわかりやすく、頭の中に映像が浮かびます。台詞に「!」が多用されることに最初はとまどうけれど、脳内に映像で再現されるととてもリアルなんですよね。

一方で舞台のひとつとなる足立区の土地勘は、ちょっと不足気味。移動の経路など、いかにもネット検索で調べたような印象。他にも事前調査が甘いところもいくつかありました。そして最後のオチは、かなり下世話。物語は面白くて一気に読めるだけに、この軽さは致命的かもしれません。