【バルセロナOP】錦織圭2連覇

錦織圭は、このクレーコートの大会で2連覇を果たしたが、そこには様々な「綾」が存在した。去年も今年も有力選手を破った選手が次で敗退する展開で、今回もナダルと当たらずに済んだことは大きかった。ただ、錦織の対戦が楽な空いてだったかというと、そうではなかった。

初戦のガバシビリこそ無難に退けたが、3回戦のヒラルドは去年の決勝の対戦相手。それでも、意外なほどにあっさりと勝利を収めることができた。しかし、ここからが正念場だ。準々決勝のバウティスタ・アグート戦が一番の山場だった。激しいラリーの応酬だったが、今の錦織ならストローク戦に持ち込めば勝てる。セットは落としたが、流れとしては錦織が握っていた。続く準決勝のクリザンもローランギャロスで敗れた難敵だったが、あっさりと勝ってしまう。

決勝でアンドゥハルを倒した後のインタビューや、動画で配信されたプールに飛び込むセレモニーなども、もう堂に入ったものだ。ATPランキング5位の風格は間違いなく身に着けている。メディアの盛り上げが煩わしいくらいではあるが、本当に彼はグランドスラムを制してしまうかもしれない。クレーだろうが芝だろうが、そのチャンスは十分にある。