【東京国立博物館】栄西と建仁寺

上野の東京国立博物館で開催されている「栄西建仁寺」では、「栄西」は「えいさい」ではなく「ようさい」と読ませてます。これは、古文書に記載された振り仮名「イヤウサイ」に基づいているそうです。

5年ぶりに揃ったという俵屋宗達風神雷神図が目当てでしたが、他の展示も思った以上に充実していました。方丈の居室を再現した展示や水墨画も素晴らしく、「雲龍図」や「竹林の七賢図」、「十六羅漢図」など中国の影響を明らかに受けた名作を堪能できます。そして伊藤若冲の「雪梅雄鶏図」では計算し尽くされた完成度も楽しめました。そんな中で一番印象に残ったのは、小野篁の立像。長身で見下ろされ、今にも脇差しを抜かれそうな迫力を感じました。

彫刻や水墨画で細部を「線」で再現しようとすると、描写がオーバーになってしまって、かえってデフォルメされたように感じることがあります。その意味では、デッサンとデフォルメは紙一重の差でしかないのかもしれません。

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