【ラトビア戦】発見なき快勝

3-0で快勝した。それは事実である。しかし、2013年最初にして、日本のサッカーにおいては新年度にあたるこの試合で、日本代表は新しい魅力を何一つ加えられなかった。岡崎の2ゴールに本田のゴール。相手を崩していたのは前田、遠藤、香川… 絶対的な主力と言えば聞こえはよいが、負傷やサスペンションが重なった場合の想定がしにくいのも確かだ。

この試合で守備陣、特にセンターバックは何を目的にしていたのだろうか。無失点は当たり前すぎるし、だからといって新しいメンバーを試したわけでもない。右サイドで起用された酒井高徳も縦に抜ける動きは少なく、相手への脅威にはなっていなかった。しかし、一番の失望は乾だ。投入されてから、彼はシュートにこだわった。戦術理解や連携ではなく、あくまで個の力を見せつけようとしていたように見えた。それで結果が出ていればまだしも、シュートはGKの正面か枠を外れるばかり。期待された大津もチャンスメイクに徹してしまい、レギュラーを奪うんだというアピールにはなっていなかった。

この時期のフレンドリーマッチで大事なことは、結果ではない。それぞれのゲームで何を目指し、それが達成できたかどうかなのだ。その意味で、このゲームにどんな課題が設定されていたのか、テレビ観戦していた限りにおいては明確ではなかった。内容を見ても、新たな発見のない、これまで通りの日本代表だった。3-0という結果だけで「快勝」と喜んでいては、彼らも日本のサッカーも成長しないのだ。