【根津美術館】KORIN展とカキツバタ

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東京・青山の根津美術館は、ゴールデンウィークとあってかなりの人出でした。昨年企画されていた「KORIN展」が震災の影響で延期されており、待ち遠しかった展覧会なのです。この展覧会では根津美術館とニューヨークのメトロポリタン美術館がそれぞれ所蔵する尾形光琳によるカキツバタを、贅沢にも見比べられます。

根津美術館所蔵の国宝「燕子花図」はシンプルにカキツバタの群生が描かれた屏風絵ですが、一方メトロポリタン美術館所蔵の「八橋図」は似たような構図ながら橋が描かれているという違いがあります。「橋」を描くのは、この時代の定番だったようですが、僕の印象では「橋」を描くことで「橋から見る人の存在」と「橋から見る人を意識したカキツバタの配置」が垣間見え、より作為的な構図であると感じました。そのせいもあって「燕子花図」もシンプルさと、カキツバタの群生の絶妙な配置が際立ちます。

そして、美術館に併設された庭園ではカキツバタの花が見頃です。尾形光琳の屏風絵と生のカキツバタを同時に鑑賞できる機会は貴重ですね。この企画をメトロポリタンと交渉しながらずっと温め続けたキュレーターの思いが伝わってきました。展覧会は5月20日(日)までの開催です。

http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html