上野公園の東京国立美術館では、「特別展 ボストン美術館 日本美術の至宝」が開催されています。訪れたのが春の嵐の影響で常磐線や宇都宮線が乱れていた土曜日ということもあって、思ったほどの混雑ではありませんでした。
全般的な印象として、展示されている作品は派手な色彩と構図のものが多く、日本人よりも米国人受けしそうな雰囲気が漂っています。そんな中で目を惹くのは長谷川等伯の「龍虎図屏風」。抑え目の色彩で大胆かつ意図的に余白を残した「わび」が、やはり僕は好きなのです。尾形光琳や伊藤若冲の作品もありましたが、派手な色彩が興ざめな感じ。曽我蕭白のデフォルメっぽいタッチの作品の方が魅力的に見えました。
工芸品や仏像も展示されていますが、これらであれば別に国内に所蔵されているものでも見劣りしません。そういう意味では、見るべきコーナーはあまり多くなかったように思います。それでも、これだけの作品が揃う機会は貴重ですので、一見の価値はありますよ。
http://www.boston-nippon.jp/