【パリ旅行記】ミュージカル「ドラキュラ」

とにかく衝撃的なミュージカルでした。何かステージを見たくてネットで検索しているときにたまたま引っ掛かったのですが、見てよかったです。フランス語(正確にはカナダ・ケベック方言らしい)のコメディなのでストーリーはほとんど理解できなかったけれど、ダンスと音楽、アクロバチックな動きといったショーの要素だけで十分すぎるほど楽しめました。ちなみに同名のミュージカルはいくつもあり、プラハ初演のものや宝塚で上演したものとはまったくの別物です。

会場はパリ市域の外れポルト・ド・ヴェルサイユにあるパレ・ド・スポール。開演前には若い女の子が前方のチケットを求めています。「前方にこだわるのはキャストが人気者だからだろう」と考え、日本でもある人気タレントのキャスティングで集客する二流作品ではないかと不安になりました。席は2列目中央と最高。客層は圧倒的に女子で、いわゆるオタクっぽい子も多いながら「パリにこんなにかわいい女性がいたのなら、なぜ今まで見かけなかったのか?」という印象すら持ちました。

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開演時刻を20分近く過ぎても始まらないので、僕のテンションはかなり低下。そして、客席後方から客を煽りながら登場するキャストに飛ぶ黄色い矯正。このミュージカルを選択して失敗だったと、このときには思いました。ところが、曲が始まるとその装置の素晴らしさ、曲のノリのよさ、そして何よりダンスのいレベルの高さに一気にアドレナリンが放出されました。ワイヤーを駆使した三次元の動き、そしてメインキャストと違うところで一見無駄にも見える動きにもこだわり抜いたステージングは僕のツボです。

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一番の特徴は、写真撮影が禁止されていないこと。上演中もあちこちでシャッターが切られ、(さすがにこれはどうかと思いますが)フラッシュが焚かれます。キャストの肖像権や制作側の権利保護よりも、顧客満足を優先したのでしょう。このせいで異常なまでにステージと客席の一体感が生まれ、終盤になると観客は前方に押し寄せます。この日は楽日だったこともあり、カーテンコールではキャストが涙を流していたり、プロデューサーがノリノリで踊りながら登場したり。こんなに舞台と客席が一体化したステージは初体験でした。音楽も振り付けも、そしてダンスのレベルの高さにも感動です!

↓動画もあるので、チェックしてみてください(^^)
http://www.draculalespectacle.com/