【オペラ】ピーターブルックの魔笛

さいたま芸術劇場で、ピーターブルック演出による「魔笛」を鑑賞しました。もちろん魔笛モーツァルト作曲によるオペラですが、このステージはピアノ伴奏1名、歌い演技もする歌手7名とストーリーテラーのような位置づけで演技のみ担当する役者2名の計10名で行われます。ステージには竹のモチーフが置かれ、これが場面場面でいろいろな役割を担うことになります。上演時間も90分に短縮され、濃密かつコンパクトな流れで展開するのです。

ピーターブルックはシェイクスピア作品で有名な演出家で、その影響かステージ空間の使い方や散りばめられたユーモアが印象的です。途中で客席に絡んで日本語で話しかけるシーンもあり、純粋なオペラというよりは、オペラを原案とした音楽劇と言った方が正しいかもしれません。厳密に言えば、「魔笛」自体がオペラというよりは「歌芝居(ジングシュピール)」というジャンルなので、まさにそのものなのかもしれません。

さいたま芸術劇場大ホールはキャパもそれほど大きくなく、サイズ的にはヨーロッパにある常設オペラハウスに近い規模。大箱ホールではせっかくのアリアも声量が物足りなく感じてしまいますが、ここなら2階席でも十分な音量で聞こえます。夜の女王のアリアのコロラトゥーラやパパゲーノとパパゲーナの絡みのアリアなど、十分な聴き応えでした。

この公演は、さいたまの後、3/31~4/1に北九州芸術劇場、4/7~8に滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールでも上演されます。

http://saf.or.jp/arthall/event/event_detail/2012/p0322.html