【名古屋ボストン美術館】静物画の世界

名古屋ボストン美術館で開催されている「恋する静物静物画の世界」に立ち寄ってみました。静物画はあまり好きではないのですが、「名古屋ボストン美術館」というハコにも興味があったのです。中には「静物画」に括るには無理がある絵画や、静物画の対象として描かれるピッチャーやアイスクリームクーラーなども展示されていました。

4階の展示は比較的地味で、あまりインパクトもなかったのですが、サム・テイラー・ウッドの「静物」は35ミリフィルムからDVDに変換した作品ですが、テーブルに置かれた果物が徐々に腐敗してゆく様子を早送りにしたような映像です。静物画の延長として、とても面白い試みだと思いました。ブラックやオキーフの作品もあり、またジョン・シングルトン・コプリーの「釘にかかった栓抜き」は、釘に掛けられた栓抜きがリアルに描かれていて、まるで騙し絵のようでした。

この展覧会で感じたことは、「静物画は対象をどう描くかだけでなく、対象を何にして、どう配置するかに作品の個性が表れる」ということです。ここに構図とかデザインという視点があるのですね。そう考えると、写実絵画が抽象画に移行してゆく途中に静物画があるのかもしれません。

http://www.nagoya-boston.or.jp/exhibition/list/stilllife-201109/outline.html