【国立西洋美術館】モネ展

東京・上野の国立西洋美術館で開幕した「モネ、風景をみる眼―19世紀フランス風景画の革新」は、国立西洋美術館とポーラ美術館の所蔵作品で構成した展覧会。モネを中心に、彼の時代のフランス絵画を概観します。ただ、モネの作品だけ追うと彼の作風の変化が感じられるのですが、他の画家の作品と混在した展示なので、モネの世界観には浸り切れないのが残念です。

それでも第2室は、パリのオランジュリー美術館や京都のアサヒビール大山崎山荘美術館に通じるゆったりとした空間が用意されており、見せ方としては好感を持ちました。やはりモネの作品は雑然とした中で鑑賞するより、独立した切り取られた世界の中で完結している方が楽しめますね。

セザンヌの「モネは眼にすぎない、しかし何と素晴らしき眼なのか」という言葉もありますが、モネが描きたかったのは風景でも人物でもなく、そこに差す光なのだと感じました。彼の眼は対象物そのものではなく、それらを通じて浮かび上がる光こそを捕らえていたのだと確信させてくれた、そんな展覧会でした。

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