【人事の話】地震で自宅待機はなぜ?

電力需要が節電効果もあって読めるようになってきたせいか、首都圏の鉄道も月曜日に比べたら格段に安定した運行状況になってきました。ところが、それに反比例するかのように、昨日あたりから企業の「自宅待機」という情報を耳にするようになっています。節電、鉄道混雑の回避という理由に並んで福島第一原発放射能に対する不安も挙げられているようです。

大手代理店や情報系の企業が「自宅待機」と聞くと、何か公表されていない危険があるのではと思ってしまっても不思議ではないですね。しかし、事情をよく見極めてみると、上に並べたような理由がただのお題目に見えてきます。アミューズメント企業であれば「店舗にお客さんがいないから」、マーケティング企業なら「いまは売り込む先がないから」、営業系の企業は「商談に応じてくれる相手がいないから」などの本音が垣間見えてくるのです。

表面的な部分だけ見ると、いかにも首都圏に危機が迫っているようですが、実はただの方便なのではないでしょうか。ただ、本当に怖いのは、こうした負のスパイラルによって経済活動が冷え込んでしまうこと。「自粛」「不謹慎」などと言っている間に企業が体力を失ってしまうことこそ、今一番避けなければならないことなのです。