【シュルレアリスム展】アンドレ・マッソンを中心に

国立新美術館で5月9日までの会期で「シュルレアリスム展 ―パリ、ポンピドゥセンターの所蔵作品による―」が開催されています。多彩な画家の作品が展示されている中で、アンドレ・マッソンの作品が数多く出展されているのが目立ちます。マッソンの構図や対象の配置は僕のツボなのですが、色使いは独特で、あまり好きになれません。

気に入った作品は、まずマックス・エルンストの「三本の糸杉」です。これは画像では良さが伝わらないので、ぜひ生で見て欲しいと思います。赤、黄、緑の三本の糸杉がまるで小宇宙のように描かれている、深遠で壮大なテーマを感じさせてくれます。ブリュッセルの王立美術館で見たときは明るい色調が多かったルネ・マグリットは、意外なほどに暗い作品が主体でしたが、「夏の行進」で見せてくれた空を表現したキュビズムが印象的でした。ピカソマグリットが、それぞれに女体を暗喩したような作品を描いていたことも、似たようなアプローチで面白かったですね。

ポール・デルヴォーの「アクロポリス」も、不思議な世界観と重苦しい色彩がかえって存在感を際立たせていました。美術の教科書に載っている名作はありませんが、それなりに満足できる質と量です。さすがにポンピドゥが持っているだけのことはあるコレクションだと感じました。

http://www.sur2011.jp/index.html