【国立新美術館】マグリット展

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乃木坂の国立新美術館で開催されている「マグリット展」を訪れました。かつてブリュッセルの王立美術館で見たマグリットの作品は明るい青空のイメージだったけれど、この展覧会では青空で抜かれた周囲の「暗さ」にフォーカスが当たっています。

青空や、女体、レンガの建物、球体といったマグリット作品におなじみのモチーフは、手塚治虫ヒョウタンツギのような狂言回しの役割を与えられているようにも感じました。おそらく、何か同じ意味を表現していて、ある意味連作のような、あるいは一枚の絵画の中でアンソロジーのように作られているような印象を受けました。

初期の作品はピカソに近い部分も見られますが、中期から様式が確立されてゆくのがわかりやすく、なかなか見ごたえのあるキュレーションです。具象から抽象へとテーマが変わってゆく中、マグリットの内に秘めた闇が際立ってくる流れが浮き彫りになっています。