【横浜美術館】マックス・エルンスト展

横浜美術館では、「マックス・エルンスト -フィギュア×スケープ 時代を超える像景」が開催されています。エルンストはシュルレアリスムの画家ですが、鳥や天使などのフィギュアがモチーフとして描かれ、また自らの象徴として鳥と人の合体した「ロプロプ」というキャラクターを描いています。

作品では、太陽を白いドーナツ状の環で描いてみたり、子供としてのミネルヴァをイノセントな表情で表したりと興味深いアプローチを見せてくれます。去年の3月に国立新美術館の「シュルレアリスム展」でも鑑賞した「三本の糸杉」は、赤、黄、緑の三本の糸杉がまるで小宇宙のように描かれています。美術館は日曜日の午前中にも関わらず閑散としており、ゆっくり時間をかけて鑑賞することができました。

抽象絵画は難解な印象ですし、中年男性が「あー、わからん」と唸りながら作品を鑑賞しているくらいでした。ただ、抽象作品に込められた画家の思いは理解せずに、感じればよいのだと思います。「画家は何を描きたかったのか」について抽象的に描かれたモチーフをヒントに探るのは、目の前の相手の発言が本当は何を意味するのか、その真意を掘り下げる対話と同じなのだと実感しました。

http://www.yaf.or.jp/yma/jiu/2012/ernst/index.html