【人事の話】隣の芝生は青い

中途採用の面接では、応募者は「今の職場」という基準で応募先をみることになります。新卒採用にはない軸なので、人事担当者や面接官はともするとこのことを忘れがちです。応募者が十人いれば、それぞれの「今の職場」も十通り。ひとつの企業のカルチャーしか知らない面接官には、いろいろな職場環境を思い浮かべることが結構難題だったりするのです。

基準が違えば、当然感じ方も違います。面接官にとっては当たり前すぎて空気のような存在になっている職場環境が、実は応募者にとっては楽園のように映ることもあるのです。例えば「社長が社員と同じフロアに机を並べている」ことが、面接官には当たり前でも、「社長という人種は特別なエリアで仕事をする」職場しか知らない応募者には入社意欲を最大化するファクターだったりするのです。

ある意味「隣の芝生は青い」で、自分の近くにあるものは冷静な目では見られないのでしょうね。今の職場が不満だからと言って転職しても、結局その環境が恋しくなることはよくあります。そういう僕も、一度辞めた会社に出戻ったことがありますから…