【人事の話】新卒採用のツボ

僕が転職した先の会社では、大学生を対象とした新卒採用を行っています。年明けには本格的に採用プロセスに関わっていくことになりますが、中途採用とはかなり勝手が違うので、早く感覚を取り戻しておかないといけません。

中途採用では応募者には職歴があるので、ピンポイントでこちらが知りたい業務経験について質問していきます。一方、大学生は職歴を持っていないので、ゼミでの研究やアルバイト、サークル活動などの「集団の中でどのような役割を演じてきたか」から掘り下げていくしかありません。ただ、そうなると何を質問してくるか、ある程度予測が効いてしまうので、応募者もそれなりに事前準備をしてしまいます。採用側としては、いかにそのような「作り物」を暴いて、応募者の本音を引っ張り出すかに工夫しなければならないのです。

グループワークをさせることによって、擬似的に集団内での役割を生で見る場を作るケースも多いですね。このような演習では、元気で声の大きいタイプ、議論を引っ張っていくタイプが目立ちます。しかし、企業は必ずしもそういうタイプばかり採用したいわけではないのです。議論が変な方向に流れているときにうまく修正する人や、回りの参加者にしっかり配慮している応募者もポイントが高いですよ。

最近は面接での質問事項やグループワークの内容なども、ネットやメールなどを通じてあっという間に伝達してしまうので、採用側としては対策が必要です。それに、威圧的な面接をしたり、基準の見え難い選考をしてしまった場合には、企業イメージのダウンも避けられない場合があります。面接は企業と応募者のお見合い。一方的に「選んでやる」と思っては、企業は失敗しますから…