【人事の話】面接の第一印象

前にも似たような内容の記事を書きましたが、最近また面接における第一印象の重要性を感じたので再度書いてみたいと思います。

場面は、とある企業の新卒採用に向けた会社説明会。グループごとに先輩社員に質問するセッションを見て回っていた社長が、人事担当者に一言「今回はあまりいい学生がいないな」と。その理由を尋ねられた社長は、一言「顔つきだ」と答えたのです。

その企業では、実は面接官向けのトレーニングの際には「一次面接では、第一印象など情報にとらわれず、学生の回答の内容からコンピテンシーを評価すべし」ということを徹底していました。それでも社長は、第一印象である「顔つき」で学生の総体的な評価をしたわけです。

僕は、この社長の判断には肯定的です。第一印象とか顔つきと言ってしまうと、いかにも合理性がないようではあります。しかし、例えば先輩社員の話を聞く姿勢や表情、質問にこめられた自分の人生観や知識などは、十分その学生の人となりを表してしまうのです。

つまらない例かもしれませんが、スーツのジャケットをボタンを3つすべてを留めている学生がいました。「2つボタン、上1つがけ」「3つボタン、上2つがけ」のような着こなしのルールは、ちょっと調べればわかることです。自分とは違う価値観の人がいることを理解して、その人たちに自分を誤解なく伝えようという気持ちがあれば、自ずと対策は見えてくるはず。そんな努力の有無が面接の結果を左右したとしても、少しも不思議ではないのです。