【藝大美術館】シャガール展は必見

三連休の最終日に、上野公園の東京藝術大学・大学美術館でシャガール展を鑑賞してきました。とにかくこの展覧会は必見です。何が素晴らしいって、構成と見せ方なのです。まず展示室に入ってすぐのところに、まるでゴッホを思わせるようなシャガールの作品が並びます。「アトリエ」は「ゴッホの寝室」を思わせるし、「自画像」もゴッホのそれに通じる門があります。一方でブラックやピカソを感じさせる作品もあり、シャガールの画風の変遷がよくわかるのです。

後半にはカンディンスキーの作品も展示されていますが、まさにシャガールゴッホからブラックを経て抽象主義にたどりつく流れが、まさに目の当たりにできます。この構成には、まさに脱帽です。そして背景に黄色いボードを使っているところも、シャガールの画風に合っているし、作品も見やすくなって効果は十分でした。

そしてもうひとつの見所が、オペラ「魔笛」の舞台美術を担当したシャガールの一連の作品です。僕はパリのオペラ座ガルニエ宮シャガールの天井画に圧倒されたことがありますが、今回展示されている作品群も総合芸術としてのオペラの一端を担うもので、存在感がありますね。

この美術館は駅からのアクセスがあまりよくないこともあって、あまり混雑していません。展示室の配置や導線は決して見やすいわけではありませんが、純粋に絵画を堪能したい人にとってはうってつけの環境ではあります。ちなみにツイッターに公式アカウント(@chagall_ten)があり、驚くほどマメに情報を提供してくれていますので、ぜひフォローしてみてください。

http://marc-chagall.jp/