【国立西洋美術館】常設展を中心に

昨日の日曜日は「フランク・ブラングィン展」の最終日だったのですが、このブラングィンという人物は西美の所蔵する絵画の中核をなす「松方コレクション」で知られる実業家・松方幸次郎をサポートしていたベルギー出身の英国人です。出展されている作品も、美術的な興味が惹かれるというよりは、彼がさまざまなアプローチで対象を描こうとしていた取り組みを追えるといった性質のものでした。

過度な期待はしていなかったので、さっさと常設展へ。企画展と違って人が少ないので、ゆったりと鑑賞できるのがいいですね。建築自体に趣きのある本館には宗教画を中心に展示されていますが、僕はドルチの「悲しみの聖母」には、いつも足が吸い寄せられてしまいます。ラ・トゥールの「聖トマス」の眼光鋭い迫力も、見応えがありますね。

新館ではモネやピカソクールベらの作品がハイライトです。ただ、その画家の作風を感じられるような秀作は少なく、どちらかというと習作のような作品も散見されます。アメリカ・ロサンゼルスのノートン・サイモン美術館を訪れたときに、有名な作品ではなくでもその画家の作風が感じられるものが多く、美術館のセンスを感じました。それに比べると、西美の場合は「蒐集家」であった松方の影響を受けてしまっているのかもしれません。

http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html