【大分トリニータ】損益計算書を読み解く

今季はJ2で戦う大分トリニータの平成21年度決算が出揃い、株主総会で提示されています。公式サイトにはPDF版の損益計算書が掲載されているので、これを読み込んでみようと思います。昨期は外国人選手の違約金計上もあって324百万円の経常損失を計上し、不良債権の処理等による特別損失を含んだ税前レベルでは615百万円の損失。その結果、債務超過は11億円を超えています。これはかなり深刻な財務状況だとしか言えません。

そしてさらに問題なのは、今期の予算です。人件費を1/3にまで圧縮して、実に10億円近いコスト削減を見込んでいます。その結果、318百万円の経常利益(同額の税前利益)を出して債務超過を2/3まで圧縮する予算になっているのです。ここまでを見れば、大変立派な予算編成であり、今後の経営再建に期待できそうな気がします。

しかし、その前提となっている収入予算は、チケット収入が前期比微増の481百万円。J1からJ2に降格してしまったチームにとって、昨年以上の集客も単価の上昇も望めないのではないでしょうか。このようなハードルの高い予算を組んでも、なお7億円以上の債務超過が残るクラブ。J1昇格がいつになるのか、サポーターや選手を騙すことなく誠実に対応することが、リーグやクラブにとって求められることなのではないかと思います。サポーターとしては、受け入れたくない現実であることは間違いないのですが…